迷いながら、それでも数字で現実を直視した理由

業務効率化によって時間をつくり、
日報や患者管理の方法を見直しました。

すると、これまで感覚的にしか意識していなかった情報が、
少しずつ「数字」として集まるようになりました。

正直に言えば——
ここまではっきりと「現実」が見えるようになるとは思っていませんでした。

数字は便利です。
同時に、残酷でもあります。

特に私の心を止めたのは、
キャンセル数とキャンセル率でした。


外来リハビリにおける「キャンセル」という現実

当院の外来リハビリは予約制です。
その日に来院される患者さんは、事前にすべて決まっています。

理学療法士が1日に対応できる単位数には上限があり、
キャンセルを見越して多めに予約を入れることはできません。

入院とは違い、
急に時間が空いたから別の患者さんを診る、ということもできない。

つまり外来リハビリでは、

キャンセル = そのまま時間と単位のロス

になります。

本来であればリハビリを行うはずだった時間に、
突然ぽっかりと空白が生まれる。

その空白が、
雇用されている立場として、
給料をいただいている立場として、
どういう意味を持つのか。

数字として可視化されたことで、
その現実が、はっきりと目の前に現れました。


数字を出すことへの葛藤

正直、迷いはありました。

スタッフが萎縮してしまうのではないか。
モチベーションを下げてしまうのではないか。
経営側に悪印象を与えてしまうのではないか。

実際、そうしたリスクは十分に考えられました。

院長からも、

「まあまあ、みんな頑張っているんだから、
そんなに心配しなくてもいいんじゃないの?」

というニュアンスの言葉をかけられました。

確かに、
数値上は大きな問題があるわけではない。
診療時間中、スタッフはみな必死にリハビリをしている。

それは紛れもない事実です。

数字を出すことが、
誰かを責める材料になるのではないか。

そんな不安もありました。


それでも、見ないままにはできなかった

それでも私は、
この数字から目を背けることができませんでした。

単位制という仕組みの中では、
どれだけ準備し、考え、工夫していても、
その努力が数字として表れることはほとんどありません。

質が高くても、低くても、単位は同じ。

これは、避けられない現実です。

だからこそ——
何も見えないままでいいとは思えなかった。

数字ですべてを評価できるとは思っていません。
むしろ、数字だけで評価してはいけないとも思っています。

けれど、客観的な評価ができない状態では、
話し合うこともできず、改善を試みることすらできない。

少なくとも、
現状を客観的な指標として認識することは必要だと感じました。

数字は評価のためではなく、
対話のために使うものだと、考えました。


管理者としての正解かは、今もわからない

この選択が、
管理者として正しかったのかどうか。

今でも正直わかりません。

スタッフの働きやすさだけを考えれば、
厳しい現実をあえて見せない、という選択もあったはずです。

でもそのときの私は、
管理者としてというよりも、
一人の理学療法士として、

「リハビリの質を高めたい」
「高め続ける組織でありたい」

という気持ちを捨てきれませんでした。

だからこそ、
あえて数字として現実を直視する道を選びました。

それが、
私たちリハビリテーション科が
これから何を改善すべきなのかを考えるための
出発点になると信じたからです。


次回

次回は、
「キャンセル」という数字をどう受け止めるべきかについて書こうと思います。

それは管理のための数字なのか、
それとも臨床の質を考えるための数字なのか。

管理者として、
そして理学療法士としての葛藤を含めて、
正直に残していきたいと思います。

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